マンガ投稿C.C.C.

キャラクター作りの神髄

  • Vol.12:椎名あゆみ
  • Vol.11:田辺真由美
  • Vol.10:持田あき
  • Vol.09:優木なち
  • Vol.08:岩岡ヒサエ
  • Vol.07:池谷理香子
  • Vol.06:斉藤輪
  • Vol.05:Msria
  • Vol.04:宮川匡代
  • Vol.03:彩花みん
  • Vol.02:池野恋
  • Vol.01:高須賀由枝

本誌「C.C.C.」内で、様々な作家さんにキャラクター論について語っていただくコーナーが「キャラクター作りの神髄」!
HPでは、その取材模様の全文を公表します!

Vol.12:椎名あゆみ先生

ケンケン(以下、K) 最初に『三日月と流れ星』の発想の原点を教えていただければと思います。
椎名あゆみ先生(以下、椎) 昔から描きたかった年の差恋愛を描きたいなーってところから始まったと思います。それも10歳以上離れた年の差。『三日月』は、デビュー以来お世話になっていた「りぼん」以外で描く初めての作品だったので「りぼん」では、できなかったことをやりたかったんです。ヒーローが30代なんて「りぼん」ではまずありえませんから。(笑)
まず年の差の恋が描きたかったのですね。それぞれのキャラはどうやって出来たのですか?
描きたい設定を考えているうちにだんだん性格も決まっていったという感じです。自分の連載作品ではめずらしくストーリー先行だった気がします。
では、もっとも動かしやすいキャラは誰ですか?
今現在の展開は3人とも揺れているところなのでちょっと動かしづらい…かな? 3人以外だと断然未依。ひとりで勝手によく喋ってくれるし、場を明るくもしてくれる、いつもいい働きをしてくれるキャラです。
動かしやすいキャラというのは、何が違うのでしょうか?
やっぱり特徴がハッキリしていることですかね。未依は主義・主張がハッキリしてますし。
わかりやすいキャラということですね。では充希…ヒロインを描き、動かすときに意識していることは?
あくまでヒロインだけですが、自分自身が全く理解できない行動はさせない、ということでしょうか。心情がわからなくなってしまうので。
主人公には感情移入してもわらないとですからね。一方でヒーローを描くときに椎名さんが意識していることは? 
隆聖は、どこかつかみどころのない人、複雑な人、というイメージで描いています。最初から全部見せず読者に「この人どういう人なのかな」と興味を持ってもらえるようにできてたらいいなと思っています。玲於はその真逆で、わかりやすくて直情的。二人の対比がはっきり出るよう意識しています。
どちらが描きやすいですか?
やっぱり玲於ですね。
やはり、性格が分かりやすいキャラは動かしやすいものなんですね。キャラを描いていて、ああ、この子はこういうキャラ、こういう性格なんだと途中から掴む瞬間っていうのはあるのでしょうか?
どうでしょう。比較的、ネームで描いている時にキャラが出来上がっているので、私の場合は途中から掴むってことはないかもしれません。
椎名先生の各話のストーリーの作り方を教えてください。
こんなセリフ言わせたいなー、こんなシーン描きたいなー、こんな顔描きたいなーっていう断片的なものをたくさん集めて、大体のあらすじを決めて組み立てていくという感じでしょうか。今回のテーマはこれ!とか、最初に決めてしまうと途端に筆が進まなくなってしまうので…。
その作り方は読み切りでも連載でも同じですか?
大体同じですね。私は普通にネームを描こうとすると大体、ページに収まりきらないので、ひたすらセリフをばーっと書いて、シナリオにして、全体の流れを掴むことから始めます。
なるほど。そうやって数々の名ゼリフ・名シーンを生み出して来たのですね。現在でも番外編を描かれている『ベイビィ★LOVE』ですが、長くキャラを描くためには、何が大事なのでしょうか? 
せあらは私のキャラの中で多分一番アクの強い漫画的なキャラなんだと思います。キャラの個性をはっきり把握できていれば、こういう時このキャラならどうするんだろう…という迷いがなくなります。どんなシチュエーションにおいても勝手に動いてくれるようになるし、お話も作りやすいんですよ。
アクが強いって大事なキーワードですね。アクの強いキャラってどうやって作り出せるものでしょうか?
特徴を持たせようっていう意識でしょうか。せあらは、最初は二重人格みたいなアクの強い特徴を持たせたんですね(今はそうでもなくなってますが)。特徴があるとエピソードが作りやすくなったり、セリフが思いついたり、助けになることが多いんです。そこから生まれたせあらのアクの強さが原点にあって、最終的には今のような恋愛至上主義なキャラになりました。
特徴を持たせることは大事ですね。せあらみたいなキャラを描こうと思ったきっかけは?
デビュー初期の頃、大人しくて自分から動かないキャラを描いたんですが、全然ウケなくて…そのトラウマがあって、元気で行動的な子の方が読者は好きなんじゃないかと思ってそうしたんですよね。
読み手を意識してのことなんですね。
やっぱり面白いと思ってもわらないとですから…お金を払ってもらってるわけですし。
でも、やはりキャラクターによってウケる、ウケないの差は大きいですよね。
漫画はもう、すべてはキャラクターだと思います。どれだけキャラクターを好きになってもらえるかで漫画の面白さが決まると言ってもいいと思いますね。
好きになってもらうにはどうしたらいいでしょう?
キャラクターを応援したくなるとか、共感できるかとか、感情移入できるとか、やっぱりそういうことが大事だと思います。
新人や投稿者で「いま描いているネームは面白いのかどうか」と悩む人がいます。そう悩んでペンが止まってしまう人に何かアドバイスはありますか?
長年描いてきてても面白くないような気がしてペンが止まるなんてしょっちゅうです。
そういう時は、一旦寝かせて、気分転換する、別の話を考える、というのもいいと思います。自分が新人時代は思いついた話はすぐに出さず、何年か温めていた気がします。でも、締め切りに追われだすとそうも言っていられないので、迷うところは人の意見をきくのが一番いいと思います。OKが出ても原稿を出すまで、もっといいセリフはないかとギリギリまで悩んで、そうやって投げ出さず一作描き切れば自信や成長につながっていくと思います。
長い目で見たら成長につながりますね。少女漫画を長年描いてきて、漫画を描く上で大事と思うことは何でしょうか?
やっぱり描くのが好きだから…って気持ちにつきるんでしょうね。
長く漫画家生活を続けている椎名先生、いま尚、漫画を描くのが好きな気持ちに変わりはないということですね!

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