マンガ投稿C.C.C.

キャラクター作りの神髄

  • Vol.10:持田あき
  • Vol.09:優木なち
  • Vol.08:岩岡ひさえ
  • Vol.07:池谷理香子
  • Vol.06:斉藤輪
  • Vol.05:Maria
  • Vol.04:宮川匡代
  • Vol.03:彩花みん
  • Vol.02:池野恋
  • Vol.01:高須賀由枝

本誌「C.C.C.」内で、様々な作家さんにキャラクター論について語っていただくコーナーが「キャラクター作りの神髄」!
HPでは、その取材模様の全文を公表します!

Vol.03:彩花みん先生

『チャチャ』の主人公は初め、リーヤだった

編集ケンケン(以下、K) 長年、幅広い読者に愛され続けている『チャチャ』シリーズの生みの親・彩花みん先生に
作品の誕生秘話を聞いていきたいと思います。
彩花みん先生(以下、彩) 『赤ずきんチャチャ』は、初めは、リーヤという狼男と赤ずきんちゃんのお話の
パロディを描こうと思ったのがきっかけでした。
狼男と赤ずきんだったのですね。まずはその2人がいて。
しかも狼男のリーヤが主人公だったんです。私は、少年漫画が好きでよく読んでいたので、男の子の方が自由度高いし、動かしやすかったんですよ。
だけど、当時の担当さんに「女の子を主人公にしてよ」って言われて(笑)。
『りぼん』だとそうなりますよね(笑)。でも、結果的にアニメ化して、大ヒットしましたから、その判断は正しかったんじゃないかと思います。
え〜って思いつつ、赤ずきんちゃんの方を主人公にしたんです。
最初は名前が「赤ずきんちゃん」だったのですが、担当さんに「名前考えてよ」って言われて、じゃあ「赤ずきんチャチャ」で良いかなって(笑)。
あんまり変わってないのに印象に残る名前になりましたね! すごい!
単なる赤ずきんちゃんでは、主人公的に足りないかなと思って、何か設定を付けよう…。
フードかぶってるし、魔法使いにしようって、なりました。
フードかぶってるから、魔法使い(笑)。すごい。連想ゲームみたいですね。
でも確かに、主人公が単なる赤ずきんちゃんなだけでは物足りない。
魔法が使えるから『チャチャ』の世界が広がりましたね。
子どもたちだけでは、キャラは動くけど話が進まなかったので、大人のキャラを増やすことにしたんです。
チャチャが魔法使いなので、その師匠でいいかなと。
それで出来たのがセラヴィー先生。
セラヴィー先生のキャラはどうやって作っていったんですか?
変な大人が良いかなと思って、エリザベスという人形が好きな大魔法使いにしました。
私の中でその当時、大人って変な人が多いなって思ってたので(笑)。
名前がなかなか決まらなくて、荻野目洋子さんのアルバムの曲の『C'EST LA VIE』って曲を聴いてて、そこから決まりました(笑)。
荻野目洋子さんからのセラヴィーですか(笑)。
でも、僕はセラヴィー先生みたいな愉快な大人、すごく良いなって思って読んでいましたよ。
すごい大人なのに、子供の心もあって良いなあと。
どろしーちゃんはどうやって作ったんですか?
セラヴィーが世界一の魔法使いなので、ライバルを出そうかなと。
男のライバルだと普通だから、女にしようかなって。

キャラクターは落書きをして、ビジュアルから作っていく

彩花先生の考え方として、普通では面白くないから、何か足そう、何かひねろうっていう考えが根底にあるのですね。
ユーモアとか面白さを大事にしているというか…。
どうでしょう。結構適当ですよ(笑)。私は絵からキャラを考えてるんです。
リーヤとチャチャがタレ目で髪の毛が明るかったので、しいねはツリ目で髪の毛を黒くしました。
なので、性格は真面目。
ふわふわした髪の毛だと性格もポワンとしてそうじゃないですか。
だからリーヤはあんぽんたんなんです。
ポピィ君は、ほっぺにグルグル◎がありますが、これは意表をついて性格はクールにしました。こういう逆パターンもありますね。
なるほど逆パターンも面白いですね。
『ドラゴンボール』のフリーザの最終形態も、小さくて弱そうですしね(笑)。
うらら校長はすごいインパクトですが、どうやって作ったのですか?
あれも落書きからですね。気味の悪いものを描くのが好きなんですよ。
目がやたら大きいとか、目が小さいとか。
日頃から変な落書きをするのが好きだったんです。
落書きがキャラ作りのスタートなのですね。
昔からよくチラシの裏に落書きしてて、ウルトラマンを描いてフラメンコの服を着せて踊らせたりしてました。
その発想、面白いですね(笑)。
どうやったら面白い発想がポンポン出てくるのですか?
ほとんど思いつきなのですが、キャラを作るとき、何か足りないな〜と思って悩んだら、その場で目に入ったものを足していきます。
テレビはつけっ放しで、目に入った服装とか髪型とか、パッと入れて落書きしていきます。
CDアルバムのジャケットからヒントを得たり、とにかく目に入ったものを直感で足したり引いたりですね。
机に向かうだけじゃなく、常に色んなアンテナを張っているわけですね。
そうなんです。キャラの見た目を作ってから、こんな性格かな〜っていうのが後から思いつくんです。
描いたキャラをじーっと見ていたら沸いてくるというか。
ビジュアルから作るメリットはどんなところでしょうか?
綿密に設定を考え過ぎるとダメなんです。セリフが出てこなくなっちゃう。
勝手に動き出したら勝ちだと思うので、動くようなキャラを見た目から作ります。
ガチガチに設定を固めてしまうと動かしづらいですよね。
では、作ったキャラをどのように動かしていくんですか?
アニメーションのように、キャラたちがガーッて動いていく映像が頭の中に浮かぶので、私はそれを見て、追っかけていくんです。
あとはネームにするだけ。
動かなかったらそれまでのキャラなので、勝手に動くくらいが良いです。
動かなかったら保留。また後で引っ張り出したりもします。

キャラを「可愛くない」と指摘された過去

他にキャラを作る上で、気をつけていることはありますか?
昔、投稿作で描いたキャラが「可愛くない」って言われたことがあるんです。
キャラがずうずうしいだけの猫だったので、そういう性格付けのつもりが、それだけでは可愛くないと。
なるほど。嫌な部分だけでなく、違う一面も必要なんだなと思いました。
いじわるとかマイナスの要素があったとしても、何か可愛げとか、愛される要素が必要なんです。
かといって、キャラの性格は、あれもこれも足すのではなく、そのお話の中で、プッシュしたい性格はちゃんと出した上でです。
なるほど。あれこれキャラの要素は増やさず、何か1つをプッシュするわけですね。
その上で、ちゃんと愛せるようなキャラとして描くと。
そうですね。
それと、コメディ&ギャグマンガを描く上では、ボケとツッコミが大事だと思うのですが、その点に関しても何かヒントをいただけないでしょうか。
たとえば、投稿作ですとボケとツッコミは出来ているのですが、主人公が単なるツッコミで終わっているケースが多いので。
それは、ツッコミもひとひねり欲しいですね。
ただツッコミを入れているだけでは主人公として弱いと思いますし。
たとえばツッコミ役の方も「どうしたいか」を入れて動かすとか。
ツッコミながら「これでいいのかな」とか、自分に疑問を持って動くとか、主人公に意思があると良いかもしれないですね。
ボケてる人をなんとかしようと動くんだけど、どんどん状況が悪化したり、周りがおかしくなっていくとか。
やはり主人公が傍観者としてツッコむのではなく、動かないといけないわけですね。
人生でもそうですが、動かないと何も変わらないですし。
キャラを作った後なのですが、彩花先生は、どうやってネームを描いていますか?
ざっくりと「こう始まって、こうなるかな〜」と方向性を決めるくらいです。
オチが決まらない状態で進めることもあって、後から考えることも。
途中で止まったら、別のネームに一から取り掛かることもありますね。
何通りも描いたりします。
キャラが既に決まっているなら、上手く行かないネームに拘らずに何通りもやってみるのも良いかもしれませんね!
ありがとうございました。

bottom