マンガ投稿C.C.C.

キャラクター作りの神髄

  • Vol.11:田辺真由美
  • Vol.10:持田あき
  • Vol.09:優木なち
  • Vol.08:岩岡ヒサエ
  • Vol.07:池谷理香子
  • Vol.06:斉藤輪
  • Vol.05:Msria
  • Vol.04:宮川匡代
  • Vol.03:彩花みん
  • Vol.02:池野恋
  • Vol.01:高須賀由枝

本誌「C.C.C.」内で、様々な作家さんにキャラクター論について語っていただくコーナーが「キャラクター作りの神髄」!
HPでは、その取材模様の全文を公表します!

Vol.11:田辺真由美先生

ケンケン(以下、K) 『まゆみ‼ 2017~再婚~』には個性的なキャラが複数登場しますが、
とくにインパクトのあるおばあちゃんキャラ・ボーバーは、どのようにしてできたのでしょうか?
田辺真由美(以下、田) 20歳くらいの時、『りぼん』での等身大ネタに困ってたんです。そんな時、じゃあもう、おばあちゃん描いてみようって。
思い切った発想の転換が逆に『りぼん』で目立つことになりましたね。
ボーバーは実際にいた祖母がモデルなのですが、実家を離れたら変な婆さんだなって改めて面白さに気づいて(笑)。
ざっくばらんで破天荒で人のこと考えないとか、そのままなんですよ。
どうやって実際の人間をディフォルメしたのですか?
当時、リアルないたずら描きをするのがマイブームで、とにかくおばあちゃんのシワを沢山描いてみました。
キモカワキャラとして『りぼん』にフィットしましたね。
描きやすかったみたいで、りぼんっ子がイラストを沢山送ってくれて。
それから段々とキャラを崩していって、可愛らしさを入れて今の形になりましたね。
ロディックさんのキャラはどのようにしてできたのでしょうか?
ロディックさんも割とそのままです。初見で真面目で几帳面ぽかったので、全てにおいて真面目を誇張してます。
真面目なのに面白くなると思ったのですか。
私って真面目な人と今まで接点がなかったんですよね。だから真面目すぎる人を見ると面白いと思っちゃって。
私に対する適切なダメ出しを真顔で言ってくるのがツボっていて。
田辺さんと真逆だったと。
対照的なキャラを出すと動かしやすいんです。もちろん、私がタイプ的に好きというのが重要に思います。
私の場合は「俺おもしろいでしょ」ってタイプの人はゾッとするくらい嫌いなので、私と正反対で真面目な人というのは描きやすいパターンでした。
実際の人物を上手くキャラクター化するにはどうやったらいいのでしょうか?
その人の人となりを決めずに何となくイメージで描いてしまうとデフォルメにならないんですよ。
単なる優しいお父さんとかだとダメ。この人はこの性格で、細い・太い、本が好き・運動が好きとか、
ちゃんとイメージ出来ていないと描けないです。そのためには観察が大事だと思います!
とにかくその人とよく接してみて、何を言うのか、どんなことをするのか観察する。
そしてメモ。もちろん好きな人、気になる人でやってみると良いです。
実際話してみると、イメージと違った面白いことを言ってくるかもしれないじゃないですか。
確かに、そこにギャップがあったりすると面白いですよね。ロディックさんも見た目に反して、言うことはカッコよかったり(笑)。
それでも上手くいかない場合は、その対象が漫画向きじゃない人。
「私のことキャラにして描いて~」っていう人に限って面白くないから描けないってことは多い(笑)。
せめて見た目にすごい特徴があれば何とかなると思います。
エッセイ漫画では、自分をキャラにするわけですが、これはどうやるんでしょう?
幽体離脱ですよ(笑)。 なるべく客観的に自分を見るようにしてます。
自分の目から見ているものをさらにもう一人、別の人のカメラを通して、
映像としてもう一回見る感じですかね。
「私いま嬉しいんだな」とか。
逆に客観的じゃない時は担当さんから「ノロケ過ぎですよ」と指摘が入ります。
エッセイ漫画を描く上で大事なことは何でしょう?
面白かった事は忘れないようにネタ帳にメモします。
「ロディックさん、服が脱げなくなった」とか。
書かないと忘れますし、人に面白可笑しく話しちゃうと、それで満足して忘れちゃうんですよね。
ギャグ・コメディ漫画で描く上で重視した方がいいことは何でしょうか?
キャラです。どの漫画を見ても、絶対に「キャラ」でしかない。
設定で話を進めるとすごくつまらないです。設定が多くて詰め込みがちなものって
大体、キャラが動かず話が進むんです。何か柱になるキャラがいればいいと思います。
やはりキャラは大事ですね。
キャラはシンプルな方がいいですね。
過去作『ファンキー★ファンシー』は変なキャラ設定にしすぎて描いていてつらくなりました(笑)。
モモンガの着ぐるみだし、家庭教師だし、双子も出てくるし、しゃべる猫とかも…。
モモンガ先生はそもそも存在しないものだから読者は共感もしづらい。
ギャグ・ショート作品の話の流れ(起承転結)はどのように作っているのでしょうか?
オチが決まったら、小ネタをチョイチョイ入れつつ、
最後10ページ目にドーンと見せ場を入れます。
描きたいシーンがある時は、絶対見開きに来るように持っていきます。
平均して2ページに1個は笑いを取りたいって感じです。
オチが浮かんでないでネームを描き始めることは?
それは無いですね。メインを決めて、ざっくりとオチの持っていき方も決めて。
「ちゃんちゃん♪」系のオチとか「○○なのであった…」的なオチとか。
オチを描きたくてそのネームを描いてるくらいです。
オチがないのに無理にあとからひねり出すようなオチは面白くなりづらいと。
はい。描きたいものがオチ(見せ場)に来るようにしているので、
そうならないネタは小ネタかストック止まりですね。
最後に、ギャグ作家さんの共通点というか素質で大事なのってあります?
とにかく面白い話やボケに真顔で乗ってくるんですよね。
ボケにボケを重ねて、話を止めずに。そういう人が多い気がします。
聞いている人はもう面白くて仕方ないでしょうね。
ところで、「ここで笑わせるぞ」とかは意識してるんですか?
もちろんしてますよ! 好きに描くっていうより、「ここは笑うとこだよ!」とか、すごく意識してますし、
1番見せたいところはめくって右上の1コマ目にバーンって持ってきます。
やはり「笑い」は計算によって生み出されるのですね! 大変勉強になりました。

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